2018年になってから新しい試みとして僕のブログ名義でセミナーやイベントを開催しているのですが、その中のひとつにWebデザインシンキングセミナーというものがあり、こちらはWebクリエイターボックス のManaさんと一緒に色々な場所で主催したり、お話する機会を頂いたりしています。
Webデザインシンキングセミナーとは
Webサイトのデザイン、デザイン論、デザインシンキング、情報設計、UI、UX、Webサイトの運用など、デザインを行う前〜デザインを行う時、行った後など、それぞれのフェーズで考えることや身につけておくこと、手法やツールの使い方などをお話したりワークショップを行ったりすることで、僕たちがこれまで培ってきた知見を共有するためのセミナーです。
Webサイトに限らずデザインでは考えることが非常に多く、「デザイン=考えること 」と言っても過言はない程デザイナーは様々なことを考えてデザインしています。
デザイナーの仕事は依頼者の問題をデザインを使って解決する事です。
例えば、「施設でユーザーが迷子にならないようにしたい。」という問題があれば、デザイナーは地図をデザインしたり、標識をデザインするでしょう。
このレベルであれば、デザイナーが考えなくとも依頼者が「地図や標識をデザインして欲しい」という言い方をするかも知れません。
しかしこのケースのように依頼者が目的を果たすものを知っていればそこまで考えつきますが、経験則以外のことで悩みを抱えているケースであれば、このような予測立てることは難しくなります。
そこで必要とされるのがそういった悩みや問題を解決するための術や知識をもっている専門家であり、問題解決を仕事にしているデザイナーになります。
そのデザイナーの中でもWebデザイナーはインターネットを使って問題解決が提案できる専門家です。その専門家が普段何を考え、どういう考えを元に何を作るのか。どういう提案をするのか。何故その色なのか。何故その配置なのか。何故その余白なのか。何故そのUIなのか。なぜその構造なのか。といった多くの「何故」をみなさんが導き出せるようになるためのセミナーが「Webデザインシンキングセミナー」の位置づけです。
Webデザインシンキング
Webデザインシンキングの中にある「デザインシンキング」というのは、人間・カスタマー(顧客)を起点に発散と収束を繰り返す問題解決の思考法をいいます。
例えばカスタマーへのインタビューや調査を行うことで、その中で得られる共感と観察を通じてカスタマーの文化や習慣が得られます。そこで得た事を元にニーズを導き出し、沢山のアイデアを書き出します。
そしてそのアイデアをプロトタイプへと落とし込み、PDCA(Plan[計画] → Do[行動] → Check[調査] → Act[改善])を行うことで、より良いプロダクトやサービスを提供できるところに価値があります。
デザインシンキングはWebサイトやサービスなどの運用を行っていると特に意識するものになり、デザインが誰のためにあるのかという意識がチーム内で共通化しやすいのですが、日本の制作案件だとそれが途端に破綻するケースが少なくありません。
プロジェクトの発端では「ユーザーのためのデザインを」という意識で始めていても多くの人がプロジェクトに様々なタイミングで関わったり、無理なスケジュールのせいでそもそもが無理だったりという理由も耳にします。
そしてそのやり方が組織の中で浸透しきってしまうと、その流れから中々抜け出すことができず、デザイナーはとにかくデザインを作ることが目的(いわゆるグラフィックだったり絵だったり)となってしまい、本来の「デザイン」が持つ意味をわからない状態が続いてしまいます。
そうではなく、デザインとはビジネスの問題や社会の問題など様々な問題を解決するためのプロセスのことをいいます。日本ではこの認識がすでに違っているのも問題の原因だろうなと感じています。
近年UXデザイナーが注目されていますが、本来であればわざわざデザイナーと分ける必要もなく、UXを考えることはデザイナーの仕事の一つであることは間違いありませんし、デザインにおいてUXを考慮することは普通のことです。
では、Webデザインシンキングが何かと言うと、Webサイト制作のためのデザインシンキングの事を指しています。
このセミナーで伝えたいこと
Webサイトをデザインする時に考えることは沢山あります。しかしWebデザイナーを目指している方や、なりたての方だとまだまだ何を覚えて、何ができるようになれば良いのかという部分に思考を捉えられている方が多いようにお見受けします。
もちろんグラフィックの作り方やデザインデータの作り方、コーディングの仕方も大事なんですが、そもそも「何故Webサイトが必要なのか」というところにフォーカスをあてて考える所から初めないと本来の意味の「デザイン」に対する取り組みや考え方をもつことが中々できませんし、熟練のデザイナーであったとしても、制作会社やWeb担当者、開発手法の違い等によっても取り組みや考え方が大きく違います。
Webデザインシンキングセミナーで伝えたいのは、本来の「デザイン」という部分でありそれに対する考え方の部分です。
今各地でお話しているのはその中でも基礎となる全体的な話と、デザインテクニックの話ですが、Webデザインシンキングで伝えるべきことは当然これだけではありませんし、一回のセッションで話し切ることも出来ません。
これから先vol.2、vol3という形で今やっているお話とは別のお話もしていくつもりですし、どの地域で喋るという制限もあまり設けず、いろいろな場所でお話していきたいというのが僕たちのスタンスです。
とはいえ、自分の親しみなれている場所から離れた場所でセミナーを行うとなると、会場探しの問題やスタッフをしてくれる方の募集などがボトルネックになってきます。ですので、会場使うならうちを使って!とか、スタッフやりますよ!といったお話をいただけると非常にありがたいので、お声がけいただけると非常に有難いです。
イベントの申し込みページはconnpassの「YATのBlog」グループで行っています。Webデザインシンキングセミナー以外のイベントなども行っているので、セミナーやイベントに興味があれば、メンバーになる事でいち早く情報を得られるので、是非ご登録をお願いします。
会場を提供してくれる企業や、スタッフをやってくれる方などおられましたら、ツイッター や Aboutページに設置してあるお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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