ICSの池田さん( @clockmaker )がツイッターでアンケートを取っていた「ブログサイトの検索ボックスって使ってますか?」が気になって僕も投票したのですが、そこから導き出された池田さんの発言がさらに興味深かったので少しやり取りをさせていただきました。
ブログサイトのUI設計で「役に立つかわからないけどセオリーだから入れとく」「後で関係者からとやかく言われるのが面倒だから入れとく」的な代表格が「検索ボックス」だと思ってます。
アクセス解析してみると、利用率は雀の涙。少数をサポートしたいか、対価が得られるかの判断が必要。
— 池田 泰延 (@clockmaker) 2018年1月29日
ブログの検索、サイト運営者が自分のために使ってる印象強いです。サイト運営者もユーザーと考えれば入れておくべきかなぁと。
— YAT (@yat8823jp) 2018年1月29日
なるほどです! サイト運営者のUI視点だと効果的ですね。
また、サイトへの信頼をもったユーザー(このサイトにしか情報がないとわかっているユーザー)は積極的に利用する傾向があるように思っています!
— 池田 泰延 (@clockmaker) 2018年1月29日
少数ユーザーがハードユーザーの場合絶対的に逃せない所なので、こういうのが数字だけで計れない部分で、そこに配慮出来るかどうかがユーザー心理を掴めているかっていう部分かと。逆にここがよく使われているなら良いコンテンツが埋もれているので、別の改善が必要という予測も立てやすいですね。
— YAT (@yat8823jp) 2018年1月29日
ハードユーザーの場合は「キーワード サイト名」みたいなGoogle検索を行い、検索Analyticsに数値があらわれる印象を持っていました。
しかし、先のアンケートでは検索Boxをよく使うユーザーが10%以上もいたので、仰る通り検索Boxを使うハードユーザーへの意識も必要ですね(視野が広がりました
— 池田 泰延 (@clockmaker) 2018年1月29日
尚、サイト内検索が多くなっている場合はユーザーの求めているものへの導線に問題があるので、そこを改善すると直帰率や離脱率が下がる傾向にあります。特集ページを作ったりするのはその為ですね。ブログじゃないですけど。
— YAT (@yat8823jp) 2018年1月29日
サイト内検索の大小で判断できることがあったとは。
夜遅くにご指摘ありがとうございました!
— 池田 泰延 (@clockmaker) 2018年1月29日
確かに制作サイドで言えば池田さんの仰る通りで、利用率で見ると利用者は少なく本当に必要か?という検討材料となりえます。
ただ、Webサイト運営側からすると少し観点が違っていて、このサイト内検索の有無によってエンドユーザーから得られる情報が大きく変わってしまうため、サイト内検索は設置しておいて欲しいというのが思うところです。
まず、サイト内検索を使うユーザーというのはヘビーユーザーであればあるほど、欲しい情報へアクセスするためのインタフェースとして多様されやすくなります。
サイトを運営側からすれば、ヘビーユーザーはお店で言う所のいわゆるお得意さんで、コンバージョンに直結しやすいユーザーです。その為そのユーザーが利用するであろう機能はやはりサイトに設置しておきたいと考えます。
また、サイト運営者自身がサイト内検索をつけて欲しい理由にはもう一つあって、サイト改善案を見つける場合アナリティクスを利用して直帰率や離脱率を見て、数字の高いところを改善するのですが、サイト内検索から得られる情報を元にサイトの改善を行うことも有るという観点からです。
*Googleアナリティクス:サイト内検索のキーワード一覧とそれらのページビューや離脱率、検索後の時間などが閲覧できる
サイト内検索を利用するシーンは
- 見たい情報のキーワードが具体的に決まっている時
- ナビゲーションから探してみたが見つけることができなかった時
この2つが多いです。
もし、サイト内検索で同じようなキーワードが多く検索されている場合、そのキーワードに関連する情報に対して関心をもつユーザーが多いということなので、記事のキーワードを見直して検索に引っかかりやすいようにしたり、その需要が多いのであればナビゲーションとは別にバナーを設置し、ユーザーがアクセスしやすいようにしたりと様々な改善案が生まれます。
ブログ以外のサイト内検索
ブログ以外だとどうでしょう。
例えばECサイトでユーザーの検索キーワードが多い商品をリスト化し、その中に一定の法則を見つけることができれば、それをそのまま特集にすることができます。特集にできればユーザーの導線をわかりやすく確保することで、サイト内検索を利用しないユーザーに対してもサイト側からアプローチをかけることができます。
ECサイトの特集や企画は季節のものや周りの流行から自身の扱ってる商材を利用して作られることも多いですが、検索キーワードから新たな切り口として立案されるケースも少なくありません。
例)ファッションサイトでPUレザーライダースーツというキーワードが多いので特集を作る。など
また、検索されるキーワードが商品を特定するキーワードではなく、特定のカテゴリ名やジャンル名で検索されている場合、そのカテゴリがナビゲーションに存在しないために検索されている場合があるので、サイト内のカテゴリ分けを見直して存在していない場合は新たにカテゴリを増やすといった対策も行えます。
まとめ
サイト内検索はエンドユーザーにとって利用される事が少ないとしても得られる情報は非常に有益なものが多く、その情報を元にサイトを改善した結果、サイト内検索を利用しないユーザーに対しても必要としている情報へアクセスしやすいサイトへ改善できる事が多いです。
サイト運営側としても、結果的にユーザーのサイト内回遊率が増えたり、新たな特集からコンバージョンがあれば、やはり必要な機能ということになりますし、僕自身これが無いとサイトの改善は難しいなと感じます。
Googleから検索して訪問してくるユーザーはたしかに多いですが、近年、検索して訪問となったキーワードは見えづらくなってきていますし、そうなると判断基準は見える所で行う事になります。
ですので、制作する場合にクライアントがサイト内検索を必要としている場合、何故必要なのかを考えることと、クライアントもまたそのサイトのユーザーであり、ヘビーユーザーであるということを忘れないことが重要かと思います。
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