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ロゴデザインを依頼する側と制作する側にある金額の相違について思うところ

こんにちは、YAT( @yat8823jp )です。つい先日ツイッターでこういったアンケートを取っていました。

初日で1,600件ほど投票を頂き、多くの方から御意見頂けて感謝しています。

アンケート自体はまだ実施しているので是非どんどん投票してください。

ツイッターの仕様上、選択肢が4つまでしか出せなかったのですが、ロゴデザインを行う場合100,000円でお受けできないケースも当然あります。制作と価格に対する意識や感覚は、アンケートを見た人がデザインについてどこまで精通しているかで受け取り方が違うのではないか?と思っています。

ロゴデザインにおける価格

まず、このアンケートを取ろうと思ったきっかけは、あなたの職業はいくら稼げる?フリーランスになった時の収入は?:ノマドジャーナル にある「ロゴなどちょっとしたデザインだと5,000円というものもあります。」という点でした。

ロゴのデザインを5,000円で受けるケースを想定してみたのですが、おそらくWebサイトでのみ使うシンボルマークという意味でのロゴデザインで、他の用途への利用は考慮しないなど、特定条件に限定したものでしょうか。

「いや、それでも5,000円は安い」という方や、「その条件なら受ける」など、どう考えるかは人それぞれで、僕だとこの条件であっても料金的に難しいと言うのが正直な感想です。

そもそもロゴのデザインを5,000円と想定したのはどういうところからなのでしょう?

まず、制作する側からすればこの金額は否定派になるほうが明らかに多くなると思います。ロゴデザインを考える際、

  • ロゴを利用する期間は長期になるため、流行り廃りに影響されないものを考えなければならない
  • 利用シーンはWebサイトに限らず名刺やパンフレットなどの印刷物のことも考えなければならず、出力するサイズも看板のような大きなものから、ノベルティグッズのように小さいサイズの刻印など、利用シーンを想定しなければならない
  • 利用シーンによってカラーリングを変える必要があるため、バリエーションを揃えなければならない
  • モノクロで印刷された場合にも認識できるかを考慮しなければならない
  • ロゴレギュレーションの設定が必要
  • 企業やブランドのイメージを表現しなければならない

など、考えなければならないことが非常に多く、その為依頼される方とのコミュニケーションも多くなります。そして何より、そもそも制作の実工数を考えるだけでも5,000円だと赤字になる可能性のほうが高いという点です。

では逆に幾らぐらいかかるのか?というところですが、正直50,000円でも難しいですし、今回のアンケートにある100,000円〜というのがしっくりくる金額になるのではないでしょうか。

しかしこれは制作者側の意見であって、今回僕がアンケートを取って知りたかったのは、ロゴデザインを依頼する発注側の感覚でした。

ロゴデザインを依頼する側の感覚

依頼する側の場合、デザインの事を知っている人は少なく、そうなるとどれぐらいの時間や労力がかかるのか分からない為、その人で価格の想定を作ることができません。

しかし、物を買うのと同じで、値段の想定ができないとデザイナーにロゴのデザインを依頼しづらいというのも、人間の心理です。

実際に依頼するとしても、予算の都合から概算が必要になることも多いので、値段の相場を調べる人は少なくありません。

価格を知るには、料金表をみたり、問い合わせて確認したり、クラウドワークスなどで出ている事例を参考にするなどで、価格の相場観を作ることはできると思いますが、ここで重要なのは、あくまでこの相場というのは調べた人の中に生まれるものであって、その相場観というのは業界の相場ではないという点です。

今回のアンケートでは50,000円程かかるという印象を持った人が多く、これを相場と捉える人も出てくるかもしれませんが、あくまで依頼する時の憶測平均値がこの金額であって、実際にロゴを作るときは上記で述べたように考えること、コミュニケーションを取ること、そして実際に作ることそれぞれに対して必要なことが非常に多く、自身が想定した相場観より高くなることは普通にありえるでしょう。

また、ツイッターの仕様上最後の質問が100,000円〜 となっていますが、場合によっては500,000円、1,000,000円、更にもっと大きな金額の見積もりも充分有り得ることです。

想定と現実の差異を埋めるもの

ここまで読んで頂ければわかると思いますが、依頼側と制作側とで大きな感覚の違いがあります。

アンケートの50,000円を考えると、デザイナーからすれば安い依頼側からすると妥当となっているとすれば、この感覚の違いは大きな溝になります。

依頼する側からすると料金を見た時点で依頼を辞めるケースもあるでしょうし、デザイナーからしても予算を聞いた時点で受けられないと感じるケースもあります。

しかし、制作の仕事は料金掲示だけで決めるのではなく、実際には様々なコミュニケーションのもとに合意があって決まります。

例えば、全てのシーンに堪えうるロゴデザインをというケースと、ロゴの利用シーンを限定したもので良いケースであれば、見積もりの金額についても変わってきます。

逆に依頼する側としても、この話を見て「利用シーンを限定するわけにはいかないので、予算をもっと引きげ上る」という選択肢も当然ある話で、ここで重要なのはお互いの意識を認識しあい、ゴールがどこかを定める点です。

ただ、依頼する側にも様々な立場の方があり、直接依頼される場合であれば予算の引き上げは行いやすくなりますが、エンドクライアントとデザイナーの間の立場に立つ方の場合は、エンドクライアントに提案できる状況なのか、それともエンドクライアントの予算感を加味して依頼しないといけないのかによっても変わってきます。

あんでぃさんの仰るケースだと値段を下げる代わりの代案や負荷軽減といった提案を伝えることで、デザイナーの工数そのものを下げてお願いできないかというコミュニケーションがポイントで、その提案に対してデザイナーが良しとするならば受注となるでしょう。

僕自身が感じているのは、特に大事なのはこのコミュケーションの部分で、それを図る前に値段で物事の判断をしてしまうのはもったいないなと感じること。そして、それは結構多いだろうという点です。

制作とコミュニケーション

制作側はコミュニケーションを取る行為を仕事の一部として認識しています。

ロゴデザインの場合、ブランドのコンセプトが明確にある場合は、それを深くヒアリングしていきますが、ロゴについてそこまで考えられていないケースも有り、その場合はやはりどういうシーンで使うのかそのシーンで使うのはどういうメリットがあるのかといった部分を相手に伝えて、それを考えてもらわないといけないので、コミュニケーションコストは膨らんでいきます。

例えば依頼者が作りたいと考えているWebサービスがあり、サイトを作ってほしいという依頼があったとします。この場合に、もし依頼側からの情報がサービスの内容ばかりにフォーカスしていて、そのサービスを広める方法への考慮が少ない場合、情報が少ないことについてはこちらから確認を取らなければなりません、

インターネット広告、外部サイトメディアでの紹介など方法は様々ですが、多くの場合でロゴは必要不可欠になります。

自身のWebサイト以外にロゴを掲載する必要がある場合、背景色との親和性を考慮しなければなりませんし、更にそのサービスを広める手段がインターネット広告のみならず、印刷物での展開もしていくとなれば、ロゴデザインに係る工数は更に増えていきます。

しかし、依頼側からしても、このコミュニケーションありきで聞く金額とそうでない金額では、同じ金額であっても受け取り方が変わるはずです。

  • 漠然としたものに対する金額
  • 目的を達成するために必要な金額

デザイナーが依頼する人に伝えたい理解して欲しいのは圧倒的に後者の方になり、必要なものに対して必要な金額がかかるのは当然のことという点です

単にロゴデータが必要で、コンペやクラウドソーシングを利用するシーンも多く、低予算でもロゴを手に入れやすい時代ですが、そのブランドロゴは長く使うことができ、更に新しい展開を考えた時にも利用できるロゴになっているか?はロゴを考える際に重要な位置を占めており、それをいざ考えた際、堪えないと判断した結果ロゴを新装しなければならないとなると、逆にトータルコストが上がってしまう事もあるでしょう。

ロゴが必要になった時

  • 何故ロゴが必要なのか
  • どういうところで使うのか
  • 自分の知識だけで判断して良いものなのか

あたりはせめて考えてから、ロゴをどこに依頼するのか? を考えてみるといいかもしれません。

ロゴレギュレーションとは

本文中でロゴレギュレーションという言葉が出てきたので解説したいと思いますが、これはロゴを利用する上でのガイドラインのことを指します。

ロゴはそのブランドを表す顔となります。その為、そのブランドのイメージを損なわないために様々なルールを設け、それを守ることでブランドの統一性を計ることが可能となります。

その為、ロゴレギュレーションには下記のような項目を設け、ルールを列挙しておきます。

ロゴパターン

ロゴのパターンを列挙します。その際、最小サイズの指定を入れておくことで、それより小さいサイズでは利用できないことがひと目でわかります。

ロゴのアイソレーションエリア

アイソレーションエリアとは、ブランドロゴの印象を損なわないために設けるエリアのことで、ロゴの周りに一定の余白を設けて別の要素が入らないように想定することで、望んでいるブランドロゴの印象を維持する事ができます。

このエリアに別の要素が入ってしまうと、ブランドロゴの与える印象は著しく低下する可能性を持つため、アイソレーションエリアは厳守する必要が有ることと、アイソレーションエリア付近には、強調性の強いオブジェクトは配置しないようにしましょう。

また、アイソレーションエリアにある数字は、ロゴサイズを1とした場合の比率になります。

カラーパターン

表示色や背景色とのコントラストに注意しながらパターンを作ります。印刷の場合紙質や濃度の違いによって見え方が変わってしまうのでカラーコードを掲載しておきましょう。

NGパターン

利用する際NGとなるパターンを列挙します。ブランドロゴはイメージを損なう使い方は品質の担保に大きく影響を与えてしまいます。そうならないよう使用の禁止例を記載しておくことでそれを守れます。

縁取りの禁止

ロゴの展開イメージ

印刷物での利用イメージなどを添えると、実際の印象がわかりやすくなります。

  • 名刺
  • パンフレット
  • ノベルティ
  • その他

こういったもののサンプルを作成し、掲載しておくと良いでしょう。

最後に

アンケートの内容自体は非常にシンプルなものでしたが、僕自身アンケートを通じてこの記事で書いたようなことを考えるに至りました。

おそらくこのアンケートを見られた方、投票してくださった方の中にも様々な考えや思いなどがあったかと思います。そういった方は是非こうやってブログに書いたりしてくださると、他の方への考える事であったり、自身のまとめであったり、色々なものが得られると思います。

当記事を読んでいただき、ありがとうございました。

2017年11月30日加筆 —

アンケートの集計がでました。全部で 2,324票 いただき、

  • 50,000円程 が 47%
  • 100,000円〜 が 30%
  • 10,000円程 が 19%
  • 5,000円程 が 4%

という結果となりました。制作する側としては50,000円程という金額だと難しいラインになるので、もっと金額についての説明を様々なところで目に触れるようにしたりして、依頼される方の意識をもっとあげていきたいですね。

投票にご参加いただき、ありがとうございました。

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