Web制作を行う全ての方へ

[書評]「Web制作者のためのSassの教科書」

「Web制作者のためのSassの教科書」を著者の平澤 隆さん(@hira)、森田 壮さん(@sou_lab)より頂戴しましたので書評を持ってお礼とさせて頂きます。

この書籍はCSSのメタ言語であるSassに関して「導入のメリット」、「導入方法(Windows、Mac)」、「実際の使い方」、「リファレンス」まで必要な事を細部にわたって掲載しています。

導入するにあたって気になるのは学習コストとそれに見合う効果だと思いますが、僕が実際に利用して便利だと感じるのはソースコード管理のし易さコーディングの時間短縮と冗長になりがちなソースコードの減量化変数や四則演算が扱える効率の良さの3点が大きいです。

書籍を読めばそれらのメリットがどれ程のものかを知れるのは勿論、より詳しく便利に使う方法や快適に使えるツールなどといったSassに関連する幅広い知識を得ることが出来ます。

書籍は下記のような構成となっています。

  1. 第1章 Sassのキホン
  2. 第2章 Sassの利用環境を整えよう
  3. 第3章 これだけはマスターしたいSassの基本機能
  4. 第4章 高度な機能を覚えてSassを使いこなそう
  5. 第5章 現場で使える実践Sassコーディング
  6. 第6章 Sassをさらに便利にするCompass
  7. 第7章 もっとSassを使いこなして便利にしよう
  8. 第8章 Sass全機能リファレンス

本の中身はこんな感じです


見出しは見やすくスッキリ



本文はソースコードも記述されています。CSSのコードとSassのコードのブロックが色分けされているので、ぱっと見て分かりやすいです。


今現場で役立つ・使えるものも載っています。

ページ数は350ページとボリューミーですが、フルカラーで見やすく、本文も読みやすいので結構さくさく読めます。躓いても解説がわかりやすくてありがたいです。

導入のハードル

書籍の表紙に書いてあって知ったのですが、現在Sassを導入する企業が増えているのは勿論の事ながら、求人情報の歓迎スキルとしても掲載する企業が増えているようです。

就職や転職を考えてる方にとって、スキルは自分の武器になる為、Sassに関してもしっかり履歴書に書いておきたいですね。この書籍を読み進めながら勉強すればCSSが書ける人ならすんなり使えるようになると思うので、+αのスキルとして勉強するのも良いんじゃないかと思います。

ネックに感じるのは、最初の導入時と、触りだすと出てくる変数やfor文と言ったプログラミング的な部分かな?と思います。

おそらくSassに触れる人はデザイナーやコーダー辺りの方々が多く、プログラマー寄りの方は少ないだろうな?という認識だからなのですが、その原因は多くは苦手意識を持つからではないかな?と思います。

実際にはそれほど難しい事では無いので、これを機に少しづつ触れていくと良いのではないでしょうか。

ハードルって高いと怖いって思うかもしれませんけど、それを超えた時って凄く嬉しいものです。

といっても、この書籍のお陰で高いハードルもかなり低い所まで下げてくれているんですけどね。それぐらい物凄く丁寧に細かく解説してくれています。これから導入を悩んでる人がいたら超おすすめの一冊です。

変わりゆく制作現場

制作現場

僕がWebサイト制作をはじめた頃はデザインをFireworksで起こし、それをスライスしてHTMLでコーディングするという流れが一般的で、CSSがそれほど使われておらずテーブルコーディングというやり方が主流でした。

今考えればテーブルでコーディングするなんてソースは見づらいし、spacer.gifを利用して頑張って微調節したりと非効率なことが多かったです。

そこから年月が流れ、テーブルによるレイアウトが使われなくなり、CSSを用いたコーディングに切り替わりました。

他の技術に関しても変化がありました。当時、アニメーション処理などはJavaScriptで表現していましたが、リッチコンテンツを表現するのに最適なFlashの登場によって人々の関心はそちらへと寄せられていきました。

一方JavaScriptの方はセキュリティや脆弱性の問題点から利用する人が激減してしまい、とうとうJavaScriptを見る事が無くなる程になりました。
それに伴い制作現場においても、求められる技術に大きな変化があった頃だと認識しています。

しかし、更に年月が流れると、廃れたとまで言われていたJavaScriptが改めて見直されるようになります。
Googleマップで採用されたAjaxという技術が多くの人の目に触れ、関心を集めました。AjaxにはJavaScriptが利用されており、制作現場でも再びJavaScriptに目を向けるようになりました。
そして近年ではjQueryやprototype.jsのようなライブラリやBackbone.js、Javascript MVCと言ったフレームワークの登場など、JavaScript自体が欠かすことが出来ない存在となっています。
一方でFlashに対応しないiPhoneの普及率や、JavaScriptの人気などを理由にFlashの技術をWeb業界で求める傾向が減っていく形となり、再度制作現場に大きな変化が訪れています。

近年は、昔と違いマルチデバイスに対応する必要性が高くなり、制作現場ではCSS、JavaScriptが欠かせないスキルになっています。
現場の環境としてはフレームワークなども取り入れ、より効率良くといった流れを目にしますし、HTML、CSS、JavaScriptと言った一つ一つの技術・知識+αを求められるケースが多いように感じます。

Webの世界は非常に進化がはげしい上に情報量も多く、何が残るのかが判断しづらい世界です。
その中で全てを網羅し、あれもこれもやるというのは無理があるのも事実だと思います。

今回Sassの書籍が発刊された事は、Webの制作現場をより良い環境に出来るツールだからこそで、実際に制作で活用している人達は、これがもっと広まってスタンダードになれば更に効率よく制作・運用が出来るようになると信じています。

Sassに限った事ではありませんが、今話題の技術だから取り上げるというだけではなく、業界全体の効率を上げる可能性を持った優れたものは、こうやって書籍になったり、Webを通して人々に知られたりすることで、利用され続け、廃ること無く一般化してしまえば良いなと思います。

「無くても仕事はできる」
確かにこういった意見はもっともですし、それが駄目な事だとは思いません。自分に合ったやり方というのも人それぞれで良いんだと思います。
ただ、「これからこれは確実にスタンダードになる」というものに、いつ気がついて、いつからそれを自分のスキルとして使えるのか?
それは、今までもこれからも、この業界で生きていく中でとても大切な事だと思います。

情報を収集するのは億劫で、取捨選択があまりに多く、流れも早い業界ですが、それが楽しいと思えるのであれば、それだけでもこの業界に向いているんじゃないかな?って思います。

当然そこからがもっともっと大変なんですけど、その分もっともっと楽しい事嬉しい事がある業界だと常々感じています。

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